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私の勤務する会社がM&Aを!
数年前の話ですが、私の勤務する会社がM&Aをしました。
先方との引き継ぎ担当として体験談したことを綴っていきたいと思います。
あっ、ちなみに買収側です。
M&Aというとネガティブなイメージを感じる方も多いと思いますが、
最近のM&Aは、中小企業を大企業が吸収するといった事例よりも
高齢で跡継ぎが居なく、事業承継が難しくなったオーナーが
事業を売却するといった例が多いんですよね。
残された従業員の雇用を確保しつつ、より大きな企業の中で
会社を継続していこうってことです。
ある日社長から呼び出され
始まりは、ある日社長から呼び出されたことからでした。
いきなり
「M&Aするから資料読んどいて」
「あとM&A仲介会社の担当と連絡とって話し聞いといて」
こんな感じのやり取りで、非常にざっくりとした指示でした(笑)
先方の会社の概要は
・飲食店と物販の2店舗運営
・オーナーは70歳代で、夫婦で経営
・売上は年間7億ちょっと
こんな感じの会社です。
M&A条件は、
・全ての株の譲渡
・従業員は同条件で雇用継続
・オーナーの退陣
です。
その後、M&Aの契約が正式に締結するまでは、詳細な情報は頂けないので
過去3年分の損益計算書を眺めながら、ある程度の施策を考えていました。
従業員への通達で。。。
契約の締結は都内のホテルラウンジにて行い、
当日、買収される側の従業員への事業譲渡の通達という流れです。
通達の際に私も同行し、50名ほどの従業員の前で挨拶をしました。
普段あまり緊張することはないんですが、さすがにこの時は
買収される側の従業員の心境を考えると、緊張しましたね。
挨拶してるとき、視界の端に何故かこちらを睨んる従業員がいたんです。
これは目を合わしたらマズイぞって思いながら挨拶を済ませました(笑)
後で確認したら、その従業員は前オーナーのお子さんでした。
お子さんは当日、実の親である前オーナーさんから
M&Aの話しを聞かせれたようで、プンプン😡状態。。。
自分が次期社長だと思っていたようですね。
こちらから挨拶しても無視されました。。。
親子で解決しとっけって話しです。
M&Aの難しさを感じた瞬間です(汗)
その後、お子さんは退職することになりましたが、
こちら側をまるで敵のように接してくるので、色々大変でした。
詳細はブログで書けないので割愛しますね。
そして引き継ぎへ
挨拶を済ませた翌日からは、
早速、引き継ぎの作業です。
常駐している担当は私だけなので、非常に居心地は悪かったですね。
どうしても、買収する側とされる側って壁ができるんですよね。
される側は、今よりも悪い労働環境になるんじゃないかと疑心暗鬼になります。
こちら側の発言には、みんな敏感になっていたので
とにかくあやふやな事を言わないように気を付けました。
M&Aを行った時に一番大事なのは
買収側の業務のやり方を浸透させる
事です。
まずは過去3年分の損益計算書(店舗の家計簿のことです)から
改善項目を抽出して、目標の数値設定です。
その後現場に入って、運営の状況を確認しながら具体的な施策に
落とし込んでいく作業を行いました。
信用を得た瞬間
いざ施策を実行してみても、今まで一緒に仕事をしていた訳ではないので、
仕事の進め方も異なることもあって、中々思うようには進みませんでした。
こちらに対する不信感と反抗心も大きな原因ですね。。。
そんな時、改善項目の一つであった5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)
を行うために、お店の休業日に従業員に出勤してもらい、店舗の大掃除を
行いました。
みんな面倒くさそうに出勤してきましたよ。
その際に、自ら先頭に立って冷蔵庫や作業棚の移動をして
効率的なレイアウトに変更したり、床や壁の掃除を本気だしてやったんですよね。
後日、パートさんから
「今まで居た口先だけの人とは違う。」
って店長が言ってたって聞いたんです。
泥臭いことって大事ですね。
やってきた事が報われた感じがしました。
その時期からですね。
何となく同じ方向に向かっていると感じたのは。
外食産業で働いている人って、ちょっと斜めに構えている人が多いんです。
ただ一度信頼を得ると、絆は非常に深いと思います。
その後
その後は、予定よりも早く数値目標が達成でき、
買収当時低かった利益率も大幅に上がり、
従業員の給与をUPさせることもできました。
現在では、お互いのリソースを活用し、
無くてはならないグループ会社になりました。
追記
今では私もいくつかのM&A案件を担当させてもらったので、
個人でM&Aを行おうと考え、エージェントに登録しています。
一時ホリエモンも個人M&Aを勧めていましたし。
昨年登録して、条件にあった案件が見つからなかったので、
実行していないんですが、♯STAY HOMEの現状を踏まえると、
やらなくてよかった
とほっと胸を撫でています(笑)
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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